旭川医科大学病院遠隔医療センター

Asahikawa Medical University Hospital

Telemedicine Center

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研究開発

Research and development

他組織との連携

P2P型高信頼情報流通技術

端末(Peer)間同士で情報を直接送受信するP2P(Peer to Peer)ネットワークは、医療分野のように施設単位で管理されている情報を施設間で共有する場合に有効なネットワーク形態であると言えます。そこで、医療情報の流通に適したP2Pネットワーク技術の確立を目指し、平成14年4月に吉田晃敏をリーダーとする「P2P型高信頼情報流通に関する研究開発プロジェクト」(平成14年度~16年度)を発足させました。

体制

概要

P2Pネットワーク環境において、高水準のセキュリティ確保と迅速な情報流通の実現を目的としたP2P型情報流通技術と、その技術に適合した医療情報処理技術の2点を中心に研究開発を行いました。そして、北海道内の複数の医療施設を接続し、医師による医療情報の登録や検索を行うことで、各要素技術の有効性や医療分野に対するP2Pネットワークの実用性・問題点を評価しました。

P2Pネットワークの基本構成

P2Pネットワークには、検索機構を各Peerが分散して受け持つPure型と、その機構をインデックスサーバに持たせたHybrid型の2種類があります。本研究では、医療情報の施設間共有で求められる安全性や検索の確実性、迅速性を解決できる後者を選択し、図のようなP2Pネットワークを構築しました。インデックスサーバは、各Peerが所有するコンテンツのインデックス情報、およびネットワークに接続するPeer情報を管理し、またPeerからの検索要求に応じてインデックス検索を行うものです。各Peerは、共有するコンテンツの保管や、Peer相互間でのコンテンツ送受信を行う機能を有します。

Hybrid型P2Pネットワーク構成
Hybrid型P2Pネットワーク構成
共有情報

実証実験で共有対象とする医療情報を、眼科カルテ(テキスト)、検査画像(静止画像)、手術映像(HDTV動画像)、ドキュメントファイル(doc,pdf,xlsなど)の4種類としました。眼科カルテは、MML Version 3.0に眼科特有の検査情報を独自に追加したものとし、MML中に記述した外部参照情報から各種画像やドキュメントファイルの所在を把握できる構成としました。なお、病名や手術処置名などの医療用語には、(財)医療情報システム開発センターが提供する標準マスターを使用しました。また、各Peerで管理するコンテンツの安全性を確保するため、MMLを暗号化した状態で保存することとしました。

対象コンテンツの基本構成
対象コンテンツの基本構成
Peer用アプリケーション

眼科カルテや画像を登録・検索・表示するためのアプリケーションソフトウェアとして「医療情報流通システム」を開発しました。実証実験では、眼科医がこのソフトウェアを用いてカルテデータの登録や検索・取得を行いました。

医療情報流通システム
医療情報流通システム

実証実験

研究開発成果の実用性や問題点を確認するため、北海道内の14医療施設と当機構の実験拠点(北海道旭川市)、そして北海道東海大学を結ぶP2Pネットワークを構築しました。この環境下で、眼科医(20名)が登録した眼科カルテ(275症例)やそれに付随する各種画像を流通させ、2度のアンケート調査を行うことで実験システムを評価しました。

実証実験ネットワーク
実証実験ネットワーク

アンケート結果の一例を示します。この実証実験によって、患者のプライバシー保護やシステムの操作性などに関する課題を解決すれば、P2Pネットワークによる医療情報の共有が実現可能であることを確認することができました。

アンケート結果の一例
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